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長野正毅先生の子育て応援メッセージ インタビュー画像

 

勉強を煽るだけではダメ

- - - - 子育てに悩みは尽きない、とよく聞きますが
          面談される親御さんも、
          悩みを抱えている方は多いのですか?

長野先生

まぁ、悩んでますよね。
「このままじゃ、この子は
“ろくなもの”にならないんじゃないか」とかね。
ろくなものの定義もじつは難しいと思うんですが(笑)、
親御さんは、やみくもに“ろくなもの”にしたいんでしょう。

- - - - Z会進学教室に通うくらいですから、
          しっかりしたお子さんが多いように思いますけれど……。

長野先生

親御さんから見たら、心配なんでしょうね。
「親が言っても受けてもらえないから、この学校がいいよ」
って先生から言ってもらえませんか?」
なんて相談もあります。

- - - - うーん、親の言うことより先生の言うことのほうが
          説得力があるわけですか。

長野先生

親の話をきかないというケースはね、
大人のほうが心配して
イライラしている場合も多いのです。

          

お母さんに多いんですが、
やることなすこと、いちいち
「いいの? 大丈夫なの?」って口出しする。
そこまで口出しされたら
大人だって怒るよなーと思いますよ。

     

想像してみてください。
「お父さん、そんな働き方でいいの?」
「それじゃぁ、偉くなれないんじゃないの?」
そんなことを日々言われていたらね、
大人だって「関係ねぇだろ!」ってなりますよね。

     

それを子どもに向かってはやってしまうケースが
案外多いんです。
「○○君はこうなのに」と比較したりね。
「○○君のお父さんは出世しているのに、お父さんはちっともだね」
 そんなふうに子どもから言われたら、
ショックなのと同じです。
それを全然わかっていない感じはありますね。

- - - - 保護者の方は、自分のお子さんを不安に思っているのでしょうか?

長野先生

不安ですねぇ。
ちゃんと勉強しないんじゃないか、とね。
勉強しないって言っても、
全然やってない訳じゃないんです。
でも「ずーっと勉強はしてない」とおっしゃるんです。
「先生、この時期になっても
テレビなんか見ているんですよ」とかね。
でも大人だって、
1日も休みもなく働き続けている訳じゃ
ありませんからね。

- - - - 皆さん、お子さんに対する期待値が高いんでしょうね。

長野先生

期待というか……
親の眼からすると、
雑だったり、真剣さが足りなく見えるんでしょう。
それで心配になってついつい、口出ししてしまう。

- - - - そんな親御さんの心配は、
          どうやって解消したらいいんでしょう?

長野先生

まずは希望を持っていただくことが大切です。

- - - - 希望……。どんな風に?

長野先生

たとえば「成績が悪くて」と嘆く親御さんにも
「いや、あれでいいんです」と肯定します。

- - - - うーん……。
          安心させてあげたい」という気持ちはわかります。
          でも、実際に志望校のレベルに
          届かない場合はどうするんですか?

長野先生

そういう場合にはね、
「お母さん、そんなに慌てる必要はないですよ」
と言いますかね。

「高校受験一発でバシッと決めなくても
ここは穏やかにやってあげたほうがいいですよ。
その先に行って、また頑張ってくれるでしょうから。
そういう子はたくさんいますよ」とね。

- - - - 勉強や受験というより、
          お子さんそのものに対する
          安心感をもってもらう感じですか?

長野先生

そうですね。
「うちの子はいい子だ」と、
そう思ってもらうことですね。

- - - - 自分の子どもに対して
          自信をもってもらうってことですね。

長野先生

自信をもってもらうし、
親子で生きていて良かったと感じてもらうことですね。

- - - - そういう感覚を見失っている方は
          多いのでしょうか?

長野先生

多いですよ。
何が何だかわからなくなっちゃっている。

- - - - お子さんの受験を前にして、
          煮詰まってしまうのですかね?

長野先生

うーん……。
やっぱり親子関係全部がそうなんでしょうね。
悩みが多くてね。
親子関係だけでなく、大人側が
ご自分の人生にも迷いがあったりするんです。
これで良かったんだろうかって
迷いが親のほうにもあって、
「もっと勉強しておけば良かった」という思いがある。
それなのに、この子はまだ気づかない!
となるんですね。

でもね、のびのびやればいいんですよ。

- - - - 塾の先生にしては、
          ずいぶんのんびりしているように思えますが(笑)。
          ほかの教室長さんも、
          長野先生のようなお考えなんでしょうか?

長野先生

自分は特に、そういう傾向があるかもしれませんね。

だって、頑張らせましょう! なんていって
すごくやらせて難関校に入ったものの
後悔している子もいるんですよ。
学校でなじめなくて。
本人はのんびりしたいのに、
「あんな勉強しかできない学校に入っちゃって
ちっとも楽しくない」とかね。

- - - - なるほどー。

長野先生

そもそもね、Aという学校、Bという学校に入れば
幸せになれるっていう前提自体がおかしい訳ですよ。
生きていく過程の中で
Aに行ったり、Bに行ったりするけれども
そこに入りさえすればいい、
何も見えなくして
勉強だけしていればいい
みたいにするのがおかしい。

まぁ、塾ってそういう傾向はありますけど、
でも半年くらいで
「あんな学校だとは思わなかった。
もう辞めたい」となったりするんです。

- - - - 単純に「勉強やれ、やれ」
          と煽るのではダメということですね。

長野先生

究極は、じっくり生きてりゃいいんだって思いますよ。

- - - - 進学塾といえば、もっと受験テクニックを
          徹底的に教える場なのかと思っていました。
          思いのほか、生き方やプライベートな部分での
          成長を促すアドバイスまでなさるんですね。

長野先生

まぁ、私個人の気質もあるかもしれませんけどね。
たとえばね、自分は問題児でも決してサジを投げません。

たくさんの方が通ってくれますから、
ときには問題が起きたりもするんです。

詳しくは語れませんけど、
ほかの教室では「退会してください」というケースでも
私は最後まで付き合います。

- - - - 先生の何がそこまでさせるんでしょうか?

長野先生

自分が接していくかなかで、
子どもたちに何かいいことを伝えられれば
という気持ちでしょうかね。

まぁ、教会みたいなもんでね、
駆け込んでくる人を出ていってください
とは言わないですよ。

それに、ここまでは受け入れるけど、
ここから先はダメという制限をつくってしまったら、
失うものがあると思うんです。