INTERVIEW 役員・所属長インタビュー 主婦と生活社がしていること

スタッフの力が結集してヒットが出せたとき

無上の喜びを感じます

編集第4部長

泊出 紀子

Tomaride Noriko

GOサインを出したら、後は全力でバックアップ!

編集第4部の2つの編集部は「実用」をテーマに本づくりをしています。隔月刊の手芸誌『COTTON TIME』と、年末年始商戦をリードする付録付き女性誌『すてきな奥さん新春号』が主要媒体です。どちらも1994年創刊! 30年も続く2つの雑誌と、さらに歴史の長い1991年創刊の『私のカントリー』を、この先もますます魅力的に発行して読者のみなさんの暮らしを豊かにするお手伝いを続けることが、私たちの部署の目標です。
歴代編集長が創意工夫して雑誌をリニューアルし、編集部員と力を合わせて固定ファンや新規読者を得ているから、“ロングセラー”であり続けられます。愛してくれる読者の方がいる限り、頑張って販売してくれる書店さんがある限り、広告を出したいクライアントからお声がかかる限り、当社の看板雑誌はなくなりません。
私自身は美容雑誌や料理書籍の編集長を経て、途中から部長職を兼務しながら2020年12月まで『すてきな奥さん新春号』の編集長を務めました。今、編集部長専任になって思うのは、「部長=ジャッジであり、サポーターでもある」ということ。上程される企画が売れるか売れないか、意見を求められる装丁案や仮タイトルが素晴らしいかイマイチか、個別の仕事の進め方が優れているか否かなど。判断を求められることばかりです。でも、一度GOサインを出したら、今度はそれを全力でバックアップしなければなりません。サッカースタジアムで例えれば、審判として選手(各編集長)と一緒に走り回って笛を吹き、黄色や赤のカードも時々出すけれど、サポーターとしてもスタンドで大きな旗を振ってチーム(部内の全編集者)を鼓舞する! そんなイメージです。

編集の面白さは「トータルプロデュース」ができること

多くの雑誌編集部では取材、撮影、デザイン、校正の編集業務の多くを社外スタッフに依頼。製版や印刷も外注します。入社当初は「各方面に人脈がないと辛いのね」と思いましたが、いつしか馴染んで見出したのが、雑誌でも単行本でも企画をトータルプロデュースできる面白さです。
立案した企画を誰に取材してもらい、どんな風に写真を撮って、レイアウトして誌面を完成させるか。スタイリングやヘア&メイクはどうするか。ビジュアルコンテを描いているときから「楽しい!」が炸裂します。取材前のスタッフ会議で「それ、いい!」が飛び交い、撮影現場で全員が力を出し切って絶妙な化学反応が生まれ、満足のいく誌面になって世に出せたとき……、編集者のやりがいを実感します。そして本がヒットしたら、仕事に関わったみんなが嬉しい。その無上の喜びを知っているので、常にヒットを狙っています!
ちなみに、私に編集の“ナイスアイデア★”がひらめくのは、だいたいお風呂に入っているときです。思いついたことを忘れないうちに、急いでバスタブから飛び出てメモします! 行き詰まったときもシャワーを浴びて思考を巡らせます。自分なりの「うまくいく法則」みたいなものを持てると、仕事はラクになるんじゃないでしょうか。

大切なのは、知識や能力よりも「情熱」

「情熱」を持って働ける新人を待っています。「情熱」がある人との仕事には、いつも刺激を受けるから。ほかの要素もあげるなら、完成まで仕事を投げ出さない「責任感」と、読者や仲間を裏切らない「誠実さ」も持っていてほしいです。
知識や能力にこだわる必要はないと思います。‟出版人“になるのは入社してからなので、紙でも電子でも、本が好きなら気軽にチャレンジしてください。
約30年主婦と生活社に勤めていますが、上司や同僚に恵まれた社会人人生を送れていると感じています。出版社の社員は、よきにつけ悪しきにつけ自己主張が強いし、言い回しなど表現方法も多才です。職場での何気ない会話や意見交換、上司のさりげないアドバイスが、その時々で私の心に響き、蓄積して大きな糧になってきました。
「それって、本当~??」と思う方にこそ、主婦と生活社に入社して共感してもらいたいですね。