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それでも必死に、恋をしていた(「セツナイ青」シリーズ)ソレデモヒッシニコイヲシテイタ

どうしようもなく子どもで、
不器用で、
がむしゃらで。
それでも必死に、恋をしていた。

ある同じ高校の生徒たちの切ない思いが複雑に交錯する、
1 話 6 ページ、全 25話収録の超短編恋愛ストーリー集。
思いはあふれているのに、いつも届かない。たとえ叶わなくても、届けたい。この恋が終わる前に。

<STORY 001> 君の好きなひと

―― バレンタインの日の放課後、学級委員の 清水は 、同じ学級委員の 八木 郁美の仕事を引き受け て教室を去り 、さりげなく 八木の意中の菅原と 二人きりの時間を演出する。 八木のことを好きな清水は、八木の願いを 叶えてあげたかった。そして、彼女に目を覚まして欲しかった。いかに菅原 が 軽薄で、いつも女の子を傷つけているような男であるということを。 期待に胸を膨らませながら、 清水 は弾む足取りで家路を歩く。 「 きっと近いうちに届くだろう、彼女からの幸せな報告が待ち遠しかった。その先に待つ、彼女の泣き顔も 」―― 。


<STORY 002>私の好きなひと

―― 「じゃあさ、付き合おっか」。私の唐突で拙い告白に、 少しも迷うことなく菅原くんはそう言った。驚きも 動揺 も歓喜も、そこにはなかった。ただ慣れたような 、ひどく優しい口調 だった。わかっていた。私が告白すれば、彼がそう返してくれること。ずっと見てきたから知っていた。彼が私のことなんて、べつに好きでもなんでもないことも。 「 だから、せめて 。 最後は笑って感謝を伝えてお別れしようと、私は始まりの日に、それだけ決めた」――。

<カバーイラスト> うた坊さん
<挿絵イラスト> エリンギ味噌さん
  • 発売日:2025年09月12日
  • 定価:1,350円+税
  • 判型:四六判

著者・イラストレーターのプロフィール

『きみが明日、この世界から消える前に』でエブリスタ小説大賞×スターツ出版文庫大賞の大賞を受賞し書籍化デビュー。同作はデジタルマーガレットにてコミカライズ(集英社)。第二弾『きみが明日、この世界から消えた後に』も含め、シリーズ累計は19万部を超える。ほかに『僕を残して、君のいない春がくる』『今夜、きみの涙は僕の瞬く星になる』『きみは僕の夜に閃く花火だった』(スターツ出版)『今夜、死にたいきみは、明日を歌う』(双葉社)など著作多数。